昨年十二月十五日、戦後教育の基本方針として制定された教育基本法の改正が実現しました。 そもそも基本法は、連合国による占領下、日本が再び戦勝国の脅威となることのないよう、日本人の精神的基盤を解体する目的で現行憲法と合わせて占領軍が押し付けたものでした。このため、わが国が永い歴史の中で培ってきた価値観が否定されただけでなく、さらに基本法を押し付けた当の戦勝国をはじめ、世界の他の国々では当然とされている事柄が、意図的に条文に盛り込まれていませんでした。 しかし基本法の改正については、日教組等の根強い反対運動もあって、これまで論議さえタブーとされてきました。この間、教育の現場は混乱を極め、青少年による凶悪犯罪の続発、校内暴力、学級崩壊となって現われ、早急な対策が迫られる状況になっています。 今回最も意義ある点は、神政連をはじめとする団体による、わが国の将来を担う青少年の育成に向けた教育改革の訴えが改正の大きな推進力となり、条文改正の三本の柱とされたことです。
  その第一は「愛国心」についてです。改正前の基本法には、自国の正しい姿を学び、それを尊ぶということが全く記されていませんでした。そのため、国への愛着を持たせないことを目的とした偏った教育が蔓延り、自分の国に自信と誇りを持たない国民を多く生み出す結果となりました。さらに、この教育界の風潮に合わせて教科書が編集されるため、歴史教科書での反日記述、公民教科書での利己主義的な権利の主張などがエスカーレトしてきました。 しかし今回の改正で、第二条の五項に「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する…態度を養うこと」との文言が加えられたことにより、青少年にわが国の歴史・伝統・文化を教え、国と郷土を愛する心を育んでいくことの必要性が法的にも明らかにされたのです。これは国の将来を担う立派な国民を育成する大きな足がかりとなります。
  第二は、「宗教教育」についてです。宗教に関することを極端に排除してきたことにより、日本人の道徳心・規範意識は著しく廃退しました。給食の際に「いただきます」と手を合わせることさえ宗教に関わるとの理由で取り止めたり、社寺にお参りすることが宗教教育にあたるとして修学旅行から排除したりする戦後教育の風潮により、わが国の精神的価値観を子供たちに学ばせる機会が失われました。このため自然への畏敬の念や、生命の大切さなど、特定の教派・教義をこえた宗教的情操について教えられてこなかったのです。 この点についても、改正法第十五条に「宗教に関する一般的な教養…は、教育上尊重されなければならない」との文言が加えられ、その国会答弁では宗教が日本人の精神に与えている影響が大きいことを認めた上で、学校教育においても適切に教えていくことが必要であるとされました。
  第三は、「不当な支配」についてです。日教組等が偏向教育を続けるため、国が学校教育に関与することを「不当な支配」と曲解して、抵抗運動の法的根拠としてきた旧第十条については、改正法第十六条に「教育は、不当な支配に服することなく」の文言は残されたものの、新たに国、地方公共団体が教育に果たすべき役割が規定されました。さらにその国会答弁では、教育は国会において制定される法律によって行われなければならず、特定の組合に属している教職員の活動こそが学校教育への不当な関与にあたると説明されました。
  これにより、日教組等が教育に圧力をかけることが、明確な法令違反として取り上げられることになるでしょう。また、一部教員が国旗・国歌に敬意を表することに異を唱えて学校行事を混乱させたり、業務時間中に学校施設内で政治運動を展開している常識を逸脱した現状が、国・地方自治体の主導で糺されることも期待されます。
  今回の法改正においては、斯界が予てより訴えてきた「愛国心」、「宗教的情操の涵養」を条文に盛り込むとともに、「不当な支配に服することなく」を削除することは、実現には至りませんでした。これについては、連立与党を組む公明党の頑迷な反対に配慮したとの憶測もあります。しかしながら、改正の国会審議において、斯界をはじめ関係団体が訴えてきた点を十分に踏まえた法律運用をしていく旨が答弁で明確にされたことは、教育正常化運動の大きな成果といえるでしょう。

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