令和3年02月25日(木)
政治と宗教
孔子廟 敷地料免除は違憲
儒教の祖、孔子を祭る「孔子廟」のため、那覇市が公園内の敷地を無償で提供していることが憲法の政教分離の原則に違反するかが争われた住民訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は24日、「市が特定の宗教を援助していると評価されてもやむを得ない」として無償提供は違憲と判断した。政教分離に関し最高裁が違憲と判断したのは「愛媛玉串料訴訟」(平成9年)、「空知太神社訴訟」(平成22年)に続き、3例目。差し戻し後の一、二審判決はいずれも無償提供を違憲と指摘していた。
空知太神社訴訟で大法廷は、宗教的施設に公有地を無償提供する是非について「施設の性格や無償提供の経過と態様、一般人の評価などを考慮し、社会通念に照らし判断すべきだ」との判断枠組みを示していた。今回もこれら枠組みに基づき、那覇の孔子廟は「宗教性を肯定でき、程度は軽微ではない」などと認定。観光資源としての意義や歴史的価値を考慮しても、社会通念上、国に宗教的活動を禁じる憲法20条3項に違反するとし、市が孔子廟を管理する法人に使用料全額を徴収しないのは違法だと結論付けた。
(産経新聞より抜粋)