令和3年04月22日(木)
皇 室
女系容認「議論不足」
政府は21日、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤前慶応義塾長)の第3回会合を首相官邸で開いた。女性天皇、女性皇族が婚姻後も皇室にとどまる「女性宮家」の創設、母方にのみ天皇の血筋を引く女系への皇位継承資格の拡大などについて意見を聴いた。
ヒアリングは、国際日本文化研究センターの今谷明名誉教授(日本中世史)、京都産業大の所功名誉教授(日本法制文化史)、日大の古川隆久教授(日本近現代史)、東大史料編纂所の本郷恵子所長(日本中世史)の4人に個別に約30分ずつ行った。女系への皇位継承資格の拡大には古川、本郷両氏が賛成し、所氏は慎重な立場を示した。今谷氏は態度を明らかにしなかった。
古川氏は「女性天皇、女系天皇に対する国民の支持率は極めて高い」と主張した。本郷氏は女性皇族に皇位継承資格を認めた場合、男性皇族と同じ条件で処遇するのが論理的に正しいとし、「女系への拡大は当然であろう」と結論付けた。所氏は「今の段階で女系にまで拡大すれば、不安や混乱を招く恐れがある」と指摘。今谷氏は「女系に変えていくのは非常に困難な問題もある。国民の議論も足りない」と語った。
(産経新聞より抜粋)