令和3年04月20日(火)
憲 法
世論と国会乖離
産経新聞社とFNNが十七、十八両日に実施した合同世論調査で、憲法改正や国民投票法改正案の採決への賛意が、反対を大幅に上回った。しかし、国会で具体的な改憲原案の取りまとめや改正案採決の見通しは立っておらず、世論との乖離が大きくなっている。自民党の二階俊博幹事長は19日の記者会見で、憲法改正の是非を問う国民投票の利便性を公職選挙法に合わせる改正案について「採決して国会の意思を内外に示すべきだ」と述べた。改正案をめぐっては、二階氏と立憲民主党の福山哲郎幹事長が今国会で「何らかの結論を得る」と確認していたが、「何らかの結論」とは衆参両院での採決を指すと明言した。
ただ、世論の反応とは対照的に国会の動きは鈍い。これまでの憲法審査会の議論は意見表明の域を出ておらず、憲法改正原案に関する具体的な話し合いは十年前から進んでいない。改正案が今国会で採決に至るのかも不透明だ。自民、公明、日本維新、国民各党が理解を示す一方で、野党第一党の立民が慎重姿勢を崩していないからだ。世論調査では自民支持層の六六・七%が憲法改正に、60.4%が改正案の採決に賛意を示したが、立民支持層ではそれぞれ27.2%と36.5%にとどまった。自民幹部は「今国会で結論は出す」と改正案成立への意欲を口にし、大型連休明けの5月6日までに衆院採決を目指す考えも示すが、立民が支持層の意向を背景に抵抗する可能性がある。
(産経新聞より抜粋)