令和3年05月28日(金)
その他
トイレ制限 二審は適法
戸籍上は男性だが性同一性障害で女性として生活する経済産業省の五十代職員が、勤務先の庁舎で女性用トイレの利用を制限しないよう国に求めた訴訟で控訴審判決が27日、東京高裁であった。
北沢純一裁判長は「十分配慮して決定したトイレの処遇は不合理とはいえない」として、制限の違法性を認めなかった。制限の取り消しと国に132万円の賠償を命じた一審判決を変更、面談時の上司の不適切な発言のみを違法と認め11万円の支払いを命じた。
判決理由で北沢裁判長は「(経産省は)先進的な取り組みがしやすい民間企業とは事情が異なる」とした上で、「他の職員が持つ性的羞恥心や不安も考慮し、全職員にとって適切な職場環境を構築する責任を負っていた」と指摘した。職員の要望に沿う形で同僚への説明会を開き、職員が勤務するフロアとその上下階にある女性トイレの利用を許可しなかったことについて「職員も処遇を納得して受け入れており、制限撤廃を相当とする客観的な事情の変化が生じたとは認められない」と結論づけた。
(産経新聞より抜粋)