安全保障上、重要な土地の買収対策として政府与党が今国会での成立を目指す土地利用規制法案が一日の衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決された。四日にも参院で審議入りし、十六日が会期末の今国会で成立する見通しだ。
　法案は防衛施設や海上保安庁施設、原子力発電所などの重要インフラ施設周辺約一キロと国境離島の土地を「注視区域」として調査対象に設定。不適切な利用に対して中止を勧告・命令できる。特に重要な施設や国境離島は「特別注視区域」とし、土地を売買した取引当事者に事前届け出を課す。勧告・命令に従わない場合などには懲役刑を含む罰則規定も設けている。
　一日の衆院本会議で立憲民主党と共産党は反対した。衆院内閣委員会で自民、公明、日本維新の会、国民民主の各党が共同提案し、国民の自由と権利を不当に制限しないよう留意すること、水資源や施設内の民有地についても今後検討することなどを盛り込んだ附帯決議案も可決していた。

（産経新聞より抜粋）