令和3年06月08日(火)
教育と
歴史認識
韓国、元徴用工訴え却下
日本の朝鮮半島統治期に徴用工として動員されたと主張する韓国人や遺族八十五人が日本企業十六社に賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁は七日、訴訟を通じ賠償請求する権利は一九六五年の日韓請求権協定により制限されているとし、請求を却下する判決を言い渡した。いわゆる徴用工訴訟では二〇一八年十月、韓国最高裁が「強制動員に対する賠償請求権は協定の適用対象に含まれていない」として日本企業側に賠償を命じた。
今回、下級審が最高裁判例を否定する異例の判断を示した。原告側の代理人弁護士は「判例と正反対の判断で、あまりに不当だ」とし、控訴する意向だ。
最高裁判決が「(日本の)違法な植民地支配」を背景に「反人道的な強制動員」が行われたと指弾したのに対し、地裁判決は「植民地支配の違法性を認める(韓国)国内法の事情だけで、請求権協定の『不履行』を正当化することはできない」と指摘した。さらに、賠償命令に伴う資産差し押さえが外交問題に発展すれば「国家の安全保障や秩序維持という憲法上の大原則を侵害する」と強調。こうした事態を回避するため、個人の請求権は「消滅したり放棄されたとはいえないが、訴訟で権利行使することは制限される」と結論付けた。
(産経新聞より抜粋)