令和3年06月19日(土)
安全保障・
領土問題
北方領土周辺 露、新たに「射撃」通告 政府講義 演習常態化を警戒
ロシアが不法占拠する北方領土周辺海域で、新たに「射撃」を実施すると日本側に通告してきたことが18日、政府関係者らへの取材で分かった。ロシアは既に16~18日に北方領土で「爆撃」を行うと通告している。政府は大規模な軍事演習の可能性もあるとみて情報収集を進め、演習の常態化に警戒を強めている。
政府関係者によると、ロシア側は16日、日本側に北方領土周辺海域の広い範囲で射撃を行うと通告した。択捉島や色丹島の周辺で、21~26日にかけて毎日、軍による射撃演習などを行うとみられる。政府は外交ルートでロシア側に「北方四島に対するわが国の立場と相いれず、受け入れられない」などと抗議した。ロシアは16~18日にも択捉島とウルップ島(得撫島)の間を通る択捉海峡で爆撃を行うと通告しており、政府は同様に抗議していた。
北方領土では2月にも極東を管轄するロシア軍が大規模演習を公表した。国後島と択捉島に1千人規模の将兵、艦船や航空機などを投入し、無人機「ドローン」の運用や、電波妨害で敵を無力化する電子戦など先進的な実践を想定した部隊訓練を行ったとされ、政府は常態化を懸念している。ロシアは、昨年の憲法改正で、北方領土も念頭に「領土の割譲」と明記した。プーチン大統領も返還について交渉しない姿勢を示している。北方領土では軍備を増強する一方、経済活動なども拡大しているとされ、実効支配の動きが強まっている。
(産経新聞より抜粋)