令和3年07月13日(火)
安全保障・
領土問題
防衛白書 閣議決定
岸信夫防衛相は十三日の閣議で、令和三年版防衛白書を報告した。白書は米国と中国の戦略的競争が激しさを増している現状を踏まえ、米中関係に特化した節を新設した。さらに台湾をめぐる米中の対立は一層顕在化していく可能性があるとして、「台湾情勢の安定は日本の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても重要」との認識を初めて示した。
台湾情勢については、米国がトランプ前政権以降、関与を深めていると指摘。F一六戦闘機や高機動ロケット砲など武器売却を進めるとともに、艦艇による台湾海峡の通過を継続して実施していることを挙げ、バイデン現政権も「軍事面で台湾を支援する姿勢を鮮明」にしていると強調した。
これに対し、中国は軍用機を台湾海峡「中間線」の台湾側へ繰り返し進入させるなど、軍事活動を活発化させている。白書は「台湾を核心的利益と位置付ける中国が米国の姿勢に妥協する可能性は低い」として、今後の動向を注視していく必要性を訴えた。中国海警局による尖閣諸島周辺への領海侵入を初めて「国際法違反」と非難した。
北朝鮮に関しては、「日本の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」との認識を踏襲した。通常の弾道ミサイルよりも低空を変則的な軌道で飛ぶミサイルの開発を進めており、「ミサイル防衛網を突破することを企図している」と分析した。
(産経新聞より抜粋)