令和3年09月09日(木)
憲 法
徴用工訴訟 原告再び敗訴
日本の朝鮮半島統治期に徴用工として動員されたと主張する韓国人の遺族が日本製鉄に損害賠償を求めた訴訟の判決で、韓国のソウル中央地裁は八日、原告側の請求を棄却した。原告側は、日本企業への賠償命令が確定した二〇一八年十月の韓国最高裁判決を受けて提訴したが、地裁は確定判決以前に提訴の期限を迎え、時効が成立したと判断した。
賠償請求の時効をめぐっては、八月にも同地裁判決で同様の判断が示されている。いわゆる徴用工訴訟について、日本政府は一九六五年の日韓請求権協定で個人請求権問題が解決済みとの立場だが、韓国最高裁は二〇一二年、「個人請求権は協定で消滅していない」と判断。差し戻し審を経て一八年に日本企業敗訴の判決が確定した。韓国の民法の規定上、「損害と加害者が判明した日から三年」を過ぎれば民事訴訟上の時効が成立するが、八日の判決は、一二年の判断を基準として、時効が一五年に成立したと結論付けた。一方、別の下級審では「一八年判決から三年後」を追加提訴期限とする判断を示しており、今後の争点となりそうだ。
(産経新聞より抜粋)