令和3年09月28日(火)
皇 室
仁徳天皇陵を再発掘
宮内庁と堺市は二十七日、世界文化遺産で国内最大の前方後円墳、仁徳天皇陵古墳の発掘を十月から始めると発表した。同古墳では周濠の水による墳丘の浸食が進んでおり、将来的な護岸工事など保全整備に向けて現状を把握するのが目的。平成三十年以来二回目で、令和元年七月の世界遺産登録後では初めてとなる。
今後の調査では、墳丘を二重に取り囲む堤のうち、内側の第一堤の三ヵ所を発掘し、築造当時の遺構や遺物の残存状況を確かめる。
同庁は「陵墓は皇室の祖先の墓であり、静安と尊厳の保持が最も重要」として、部外者の立ち入りを厳しく制限しており、地元自治体が調査に参加するのは異例。同庁の徳田誠志・陵墓調査官は「堺市との共同調査によって、仁徳天皇陵が近現代史も含めた歴史の積み重ねの上にあることが分かった意義は大きい」と評価。「陵墓を適切に保全、保護していくことが世界遺産を保全することにもつながる」と強調した。
(産経新聞より抜粋)