令和3年11月18日(木)
安全保障・
領土問題
中国、台湾侵攻能力を確保
米議会の超党派諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」は十七日、中国の軍事経済情勢をめぐる年次報告書を発表した。報告書は台湾情勢をめぐり、「中台間の紛争抑止が危うい不確実性の時期にある」と初めて指摘。二〇二〇年を人民解放軍が台湾侵攻の能力を確保する重要な節目と指導層が位置づけてきたとし、同軍は台湾に対する空中・海上の封鎖、サイバー攻撃、ミサイル攻撃に必要な能力をすでに獲得したと分析した。特に侵攻の初期段階で二万五千人以上の部隊を上陸させる能力、民間船を軍事作戦に動員する能力があるとの見方を示した。
報告書は一方、中国の核戦力に関する項を新設。「一九六〇年代に最初に核兵器を保有して以来、核戦力の拡大・近代化・多様化のため最大級の取り組みを実行している」と強調した。中国は従来、敵国の核攻撃に対する報復に最小限必要な核戦力をを維持する戦略をとってきたが、報告書はこの「最小限核抑止」からの脱却を指摘。「限定的な核兵器の先制使用という新戦略を支持しようとしている」可能性も示した。
(産経新聞より抜粋)