令和4年02月01日(火)
その他
武蔵野市条例 過程に不備
日本人と外国人を区別せずに投票権を認める住民投票条例案が昨年末に否決された東京都武蔵野市で、住民投票条例案の根拠となる自治基本条例の原案を作った懇談会が、市の要綱のみを根拠に設置されていたことが三十一日、関係者への取材で分かった。地方自治法は、自治体の付属機関は法律や条例に基づき制定すると規定。他の自治体で過去に同様の問題が発覚した際は、裁判所が違法性を認めたケースもあり、武蔵野市の懇談会も同法に抵触する疑いがある。
懇談会の正式名称は「武蔵野市自治基本条例(仮称)に関する懇談会」で、大学教授や公募市民、副市長ら九人で構成。平成二十八年十一月に設置され、二年かけて自治基本条例の原案を取りまとめた。市は原案に基づき令和二年四月に自治基本条例を施行。同条例は住民投票について「必要な事項は、別の条例で定める」(十九条)としており、市の住民投票条例案の根拠となっていた。
地方自治法は「普通地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより、執行機関の付属機関(中略)を置くことができる」(第一三八条の三項)と定めている。全国町村会は付属機関の役割について、自治体から依頼された計画策定などの判断や方向性を示すとしており、武蔵野市の懇談会も該当する可能性が高い。しかし、市は内規にすぎない「要綱」のみを根拠に懇談会を設置していた。
他自治体では、同様の役割を担わせる検討委員会や懇談会などは付属機関と判断するケースが多く、設置条例を作った上で、議会の議決を得てから制定に着手している。
(産経新聞より抜粋)