令和4年01月26日(水)
皇 室
立維国が皇室議論に着手 「女系」で距離感
安定的な皇位継承策などを議論した政府の有識者会議が取りまとめた報告書を踏まえ、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党が皇室に関する議論を本格化させている。それぞれ見解をまとめる方針だが、伝統的な男系(父系)継承などをめぐっては距離感の違いも透ける。
立民は二十六日、「安定的な皇位継承の在り方に関する検討委員会」(委員長・野田佳彦元首相)の会合を開催した。この日は、報告書について政府側から説明を受けた。野田氏は、皇位継承策が先送りされたとして「危機感が足りなすぎる」と批判した。立民は前例のない「女系天皇」の誕生につながる可能性がある女性天皇も含めて検討すべきだとの立場を示している。
一方、維新と国民民主は男系継承の維持に前向きな構えを示している。維新は二十六日、皇室制度調査会(座長・藤田文武幹事長)の初会合を開催。報告書を踏まえた見解を今国会中にまとめたい考えだ。終了後、藤田氏は記者団に「さまざまな配慮がなされ、非常に優れた報告書だと受け止めている。今国会中に党としての意見はまとめたい」と述べた。女性天皇や「女系天皇」に関しては「議論では排除しないが、マニフェスト(政権公約)に男系男子で紡がれてきた皇室の伝統を最重視すると書いている。私自身、女系天皇は全く想定していない」と強調した。
国民民主は二十五日、新設した「安定的な皇位継承の在り方を考える会」(会長・大塚耕平代表代行兼政調会長)の初会合を開いた。大塚氏は会合後、記者団に「この問題は政争の具にしてはならない。静かな環境の中で議論を進めるべきだ」と語った。玉木雄一郎代表は十八日、「非常に細い糸のようになっているので危機感は共有している」としつつ、「基本は男系男子だ」と述べた。
(産経新聞WEB版より抜粋)