令和4年03月23日(水)
安全保障・
領土問題
日本と平和条約交渉中断
ロシア外務省は二十一日、日本との平和条約の締結交渉と、ロシアが不法占拠する北方領土の元島民の墓参などを目的としたビザなし交流を一時停止すると発表した。同時に、両国が実現を目指してきた北方領土での日露共同経済活動に関する協議からの撤退も表明。ウクライナ侵攻に関連して「日本が一方的に導入した非友好的な対露制限」を考慮した結果だとしている。停滞が指摘されてきた平和条約交渉はさらなる暗礁に乗り上げた形。日本は対露政策の根本的な見直しを迫られることになる。
露外務省は声明で、日本が米欧諸国と協調して発動した対露制裁を念頭に「日本はロシアの利益に損失を与えようとしている」と主張。「現状では二国間の基本文書の調印に関する議論はできない」と述べた。タス通信によると、メドベージェフ前大統領は二十二日、外務省声明について「当然で正当な決定だ」と表明した。
岸田文雄首相は二十二日の参院予算委員会で「今回の事態はすべてロシアによるウクライナ侵略に起因して発生している。それを日露関係に転嫁しようとする対応は極めて不当であり、断じて受け入れられない」と批判した。
(産経新聞より抜粋)