令和4年04月01日(金)
安全保障・
領土問題
外交青書 北方領土、露が「不法占拠」復活
令和四年版「外交青書」の概要が三十一日、判明した。北方領土について「日本固有の領土であるが、現在ロシアに不法占拠されている」と説明した。外交青書で「不法占拠」と表現したのは平成十五年版、「日本固有の領土」は二十三年版以来となる。ロシアのウクライナ侵攻を受け、北方領土返還交渉は「展望を語れる状況にはない」と明記した。外交青書ではウクライナ侵攻を「侵略」と明記し、「人類が過去一世紀にわたり築き上げてきた武力の行使の禁止、法の支配、人権の尊重といった、欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす暴挙である」と非難した。「歴史の大転換である」と指摘した。
また、中国をはじめとする新興国が存在感を増しているとの認識を示し、「米国が圧倒的な政治力、経済力、軍事力により先進民主主義国とともに主導力を発揮して国際社会の安定と繁栄を支える時代から、米中競争、国家間競争の時代に本格的に突入した」と分析。米国の国力の相対的な低下を明確に認めた。その上で、日米同盟に関しては、首脳会談や外相会談などを通じて「史上かつてなく強固なものとなっている」と強調した。
(産経新聞より抜粋)