令和2年09月20日(日)
安全保障・
領土問題
地上イージス代替は洋上案
政府が配備を断念した地上配備型迎撃システム「イージス・アショア(地上イージス)」の代替案について、敵ミサイルの捕捉、迎撃を洋上で行う「洋上案」に絞ったことが19日、わかった。レーダーを陸上に配備し、迎撃を護衛艦で行う「分離案」は技術的に困難と判断した。
洋上案は、イージス艦を新たに建造する案や、地上イージスのレーダーなどを搭載したミサイル防衛専用の護衛艦を配備する案が検討されている。イージス艦を増艦すれば南西諸島防衛などミサイル防衛以外の用途に振り向けることが可能な一方、調達費が高額に上り海上自衛隊の人員不足がより深刻になる。ミサイル防衛専用艦であれば調達費や人員がイージス艦より低く抑えることができるメリットがあるものの、どこまで予算を圧縮できるかは不透明で、専用艦を防護する装備も別に必要となる。
政府はいずれかを選択する方針で、年末までに結論を出し、令和3年度予算案に反映する。予算案をまとめるのに合わせて防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画も改定する。