令和4年07月23日(土)
安全保障・
領土問題
防衛白書 中露の連携深化 懸念
政府は二十二日の閣議で、令和四年版防衛白書を了承した。白書にはロシアによるウクライナ侵攻について新しい章を設け、日本周辺の空海領域で軍事行動を活発化させるロシアの動きに関して「懸念を持って注視」と緊張感の度合いを一段強めた。台湾については「力による現状変更は世界共通の課題」と初めて表記し、将来的に台湾侵攻の可能性も指摘される中国の動向に警戒感を示した。
ウクライナ侵攻については、ロシア軍がウクライナ側の軍の能力を楽観的に見積もったと指摘。ロシア側の連携不足などによる作戦レベルの失敗が甚大な被害につながったと分析した。また、核以外の通常戦力が回復するまでの間、「抑止力として核戦力を重視する姿勢を強める可能性がある」と分析し、ロシア軍の戦略原子力潜水艦の活動領域であるオホーツク海で動きが活発化する恐れを示した。さらにロシアの国力が中長期的に低下するとの予測を踏まえ、「中国との関係をさらに深化させる可能性がある」と強調した。
中国についての「安全保障上の強い懸念」や、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への「重大かつ差し迫った脅威」との従来の評価を踏襲したうえで、「こうした傾向は近年より一層強まっている」と踏み込んだ。
(産経新聞より抜粋)