令和5年01月30日(月)
教育と
歴史認識
新潟の高校 佐渡金山「強制労働」偏向指導
日本教職員組合(日教組)の第七十二次教育研究全国集会(教研集会)で二十九日、政府が世界文化遺産登録を目指す「佐渡島の金山」(新潟県)を巡り、朝鮮半島出身者を強制労働に従事させたとの認識を一面的に訴える学習指導の実践例が報告された。いわゆる徴用工訴訟問題を巡る日韓両国の交渉が続くなか、「強制労働には該当しない」とする政府見解には十分に触れずに偏向的な指導が行われている教育現場の実態が浮き彫りとなった。
指導の実践例が報告されたのは、平和教育を話し合う教研集会の分科会。佐渡金山のおひざ元である新潟県の高校教員が、有志の生徒を対象に行った「自主学習」の内容をまとめたリポートを分科会に示した。この自主学習では、生徒らに佐渡金山の歴史について考えさせるための材料となる資料を提示。その記述の多くは、近代以降の朝鮮半島出身者の労務動員の強制性や賃金差別を指摘する文献の引用が占めた。
教員は二十九日の発表で「(自主学習を通じて生徒らは)事実を学んだ」と強調。分科会で示したリポートでも、「学習の中では、政治問題の色の濃い『強制』労働の言葉には付き合わず」と中立性をアピールしたが、「朝鮮人を強制的に連行した事実においては同質」などの文献を列挙しており、実質的には登録に反発して韓国側の主張をなぞる学習となっている。
政府は令和三年に「徴用による労務は強制労働には該当しない」との答弁書を閣議決定しているが、日本側の主張はほとんど触れず、一面的な視点からの学習実践例となっていた。
(産経新聞より抜粋)