令和5年03月10日(金)
その他
夫婦別姓論 自民に動き
自民党で、選択的夫婦別姓の実現を求める動きがにわかに熱を帯びている。慎重派の代表格として目を光らせてきた安倍晋三元首相が死去したことに加え、家族や性のあり方などの多様性を尊重する潮流が背景にある。主要野党は夫婦別姓の導入を目指す立場で、自民の大勢が容認に傾けば一気に現実味が増す可能性もある。
自民の有志議員でつくる「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」(会長・浜田靖一防衛相)の総会が九日、国会内で開かれ、野田聖子元総務相、岩屋毅元防衛相、小渕優子党組織運動本部長ら約二十人の議員が出席した。講師を務めた早稲田大の棚村政行教授が「自分らしく堂々と生きられることはとても大事だ。政治の力は大きい」と制度導入を訴えると、出席議員から拍手が起きた。議連は党内議論を促す決議をまとめた。自民は伝統的な家族観を重んじる立場から、夫婦別姓に慎重な姿勢をとってきた。保守派議員の一人は議連の動きに「わざわざ党を分断してどうするのか」と危機感を示す。ただ、最近では党執行部や重鎮にも容認論が広がりつつある。
党内では安倍氏が“防波堤”となり、賛成派を強く牽制してきた。死去後は高市早苗経済安全保障担当相らが慎重論を唱えているが、安倍氏のような重しは見当たらないのが現状といえる。
(産経新聞より抜粋)