令和5年10月26日(木)
その他
性別変更 生殖不能の手術要件「違憲」
▼性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更する際に生殖能力をなくす手術が必要とする性同一性障害特例法の規定の合憲性が争われた家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は二十五日、規定を「違憲、無効」とする決定を出した。裁判官十五人全員一致の意見。
▼四年前に「合憲」とした最高裁判断が変更され、国は規定の見直しを迫られることになる。最高裁が法令を違憲としたのは十二例目。
▼大法廷は、この日の決定で、④の規定(生殖腺がないか生殖機能を永続的に欠く)は憲法が定める「意思に反して身体への侵襲を受けない自由」を制約するものだと指摘。特例法の制定当時に考慮されていた制約の必要性が社会の理解拡大などで低減する一方、医学的知見の進展で手術を受ける必要がない当事者に対しても、手術か性別変更断念かの「過酷な二者択一」を迫るものになっているとして、制約の程度が重大だと結論づけた。
▼一方、特例法が定める五要件のうち、変更後の性別の性器に似た外観を備える別の手術要件については差し戻し、高裁段階での再審理を求めた。
(産経新聞より抜粋)