令和2年10月12日(月)
安全保障・
領土問題
外国資本の土地取得調査
政府が防衛施設周辺など安全保障上重要な土地について、外国人らによる取得状況を調査できるようにする新法制定の検討に入ったことが9日、分かった。有識者会議などで課題を整理し、早ければ来年の通常国会に関連法案を提出する。
外国資本による土地買収をめぐっては、韓国国境付近にある対馬(長崎県対馬市)で海上自衛隊基地の隣接地などで韓国資本による不動産買収が進んでいるほか、北海道の水資源を狙った中国資本による山林の大規模買収などが問題視されている。
関連法案では、自衛隊基地などの防衛施設を「安保上の重要施設」に指定し、周辺の土地取得者の国籍や利用目的などを調査することを認める。国境離島や原子力発電所、山林などを対象に含めるかどうかや、日本人でも外国関係者との関連を調べるかなど、詳細な調査対象範囲は今後検討する。土地購入者に買収計画の届け出を求めることも視野に置く。現行法では政府が私有地所有者の個人情報を調べる権限がなく、自民党内からも安全保障上の懸念が示されていた。法的措置により、安全保障上の必要性を理由に国に調査権限を与えることができる。
一方、土地買収の実態次第ではさらなる法規制が検討される可能性がある。私権の制限になる恐れや、地方での観光資源開発に負の影響を与えかねないとの懸念もあり、政府は慎重に検討を進める。
(産経新聞より抜粋)