令和2年11月06日(金)
安全保障・
領土問題
中国、海警の武器使用許可
中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)は5日までに、海上警備を担う「中国海警局」の権限を定めた「海警法」案の全文を発表した。海警は東シナ海の尖閣諸島周辺で巡視船による領海侵入を繰り返しており、周辺で操業する日本漁船も対象となる恐れがある。さらに法制定後は中国海軍との連携を強めるとみられている。同法案は、海警の職責について「管轄海域でパトロールや警備を展開し、重要な島・岩礁を見張り、国家主権と海洋権益を脅かす行為を制止、排除する」と規定。管轄地域の定義は「中国の内海や領海、接続水域、排他的経済水域、大陸棚および中国が管轄するその他の海域」とした。
また、外国船が管轄海域で違法な活動を行い、立ち入り検査を拒否した場合は、携行している武器を使用できると明記した。また相手から武器などで攻撃を受けた際には、艦船や航空機に搭載した武器の使用も認めた。領海に不法侵入した外国船は、海警が拘留や強制退去などの措置をとることができると定めている。
同法案は10月中旬に開かれた全人代常務委員会で審議が始まった。12月以降に開かれる同常務委で可決される見通しだ。
(産経新聞より抜粋)